2013年1月25日金曜日

オオクワガタ材割り採集の“醍醐味”

“オオクワガタ採集の楽しさ”って?

私の感じている事は、

まず、この虫自体が魅力的な事に加え、採集難易度も高い事にあります。
山に隠れている宝物を探す“宝探し”ですね。

これが強烈に採集者魂をくすぐります。
さらに採集方法ごとのプロセスも刺激的で、なかなか魅力があります。


樹液採集に於いては、凄い樹液場を発見し、覗く時のドキドキ感、
それからそこに大きな甲虫が見えた時の興奮!
そんな時は、“ビリっ”と頭に電気が走るような感覚が味わえます。

一方、材割り採集では、凄い朽ち木を発見し、削る前のドキドキ感、
そこから極太食痕を発見した時に益々高まる緊張と興奮・・・
成虫が出てきた時は、同じように頭に電気が走るでしょうね・・・
(エヘへ 割り出したこと無いので予想ですが・・・)

どちらも似てますが、前者との違いは、ゆっくり 味わいながら進めていく感じでしょうか・・・
3令極太食痕ですと、追いかけていくにつれにオオクワである事を確信していきます。

ひと削りごとに“おー”とか “凄い”とか心の中で叫びながら、

そう、“宝物”に近づいていくんです・・・・・。

このプロセスこそが“材割り採集の醍醐味”じゃないでしょうか。




そんな3令極太食痕を求めて、先日も山に行ってしまいました・・・

1月12日

天気予報でも好天の予報でしたので、今期初めて朝からの出発です。
今回は3令を狙うため、あまり人が入りそうもないところを選定してみました。

初めて入る山が楽しみで、当日は早くから目が覚めて困ってしまいました(笑

運転中も色々想像し、気がついたらもう目的地!
あらら、お弁当買うの忘れてます・・・・。
時間がもったいないので、引き返さず自動販売機のコーンスープを弁当代わりにしました。
まあ、正月太ったんで丁度良いでしょう。

車を止め、持参地図で事前に決めたルートを確認し山に入ると、
幸い採集者の形跡はありません。
林の雰囲気も良く、朽ち木もたくさんあり、久しぶりに良いポイントだなあと感じながら
良い気分で山歩きです。
コクワくらいで、手応えがないままですが・・・・


でもそのうち、昔は良く手入れされていたであろう谷間の混合林となり、
倒木が多くなって来ました。
竹が多かったので、竹害でしょうか・・・

同時に、イノシシがタケノコやカブトの幼虫を食べたような跡も目立つようになり、
前回の恐怖がよぎります・・・・(笑

どうもこの辺のイノシシは幼虫好きのようですねー。

そんな中、ふとこんな材が目に留まりました!


水分の多いグズグズのクヌギ端材ですが、
イノシシの物色した跡に極太食痕が露わになっています。

“んん? ヒラタ幼虫も餌食になったのかな?”

そう思いながらチェックしてみると、

確かに水分が多いパサパサ材ですが、少しマシな部分では
オオクワ模様らしい食痕にも見えます・・・・・・。


“あれっ?”

リュックを下ろし、慎重に確認していきます。

ちょっとドキドキ・・・

このパターンはほぼヒラタかノコなんですけどね・・・・

柔らかいので、手でも捲れるくらいで、すぐ幼虫の居る部屋に到着しました。




おお!
大きさは期待通りで、成熟しつつある3令の様ですね・・・・






あとはヒラタかオオか?・・・・

祈ります・・・・・・


さあ!どうだ!


















3令 体重10.5g 頭幅10.8mm 男前です!


“おおー!”

立派にオオクワガタでした!(笑

なかなかのサイズで、種親候補かな?って感じでしょうか。



小さな端材で、水分も多いので、他も採ってしまおうと削り進めると、食痕だらけ・・・

十分食痕を満喫しましたが、




結果は残念・・・・・

最初の1頭しか居ませんでした。

確実にあと1頭以上の食痕があったんですけど、抜けちゃった後かな・・・?
メスが羽化して脱出したか、本当にイノシシに食われたか・・・・・

まあでも、立派な3令幼虫に出会えて大満足です。

後片付けをし、腰をおろし、昼食のスープを飲みます・・・・
もちろんキンキンに冷えてしまってますが、獲物を採った後なので格別においしく感じます。
山の中でのこの一時は、私にとってまさに

“至福の時間”ですね。



午後も期待して、まだ周辺にある倒木からチェックを始めました。

しかし、いくつかチェックしますが、なかなか手応えはありません・・・・
ちょっと疲れて、テンションも下降気味のなかチェックした大きめのクヌギ倒木。

先端部分は良い状態に仕上がっていたのですが、やはり手応えなく、
根本部分もチェックしますが、全く何の食痕も出ないので、
もう止めようかなと思っていた時です!

僅かですが、なんだかオオクワ模様の

食痕出現!



んんー たまらないですねー




午前中の食痕とちがい、かなり確率の高い食痕にもう興奮度MAXです!

ああ、なんて幸せなんだろう・・・・

材採集ならではの醍醐味を満喫し、

慎重に削いでいきます・・・・・・・


すると、もう1本食痕が現れ、少なくとも2頭入っています!
どちらも木の中央付近から根の方食い上がり、又引き返しているようですね・・・


削いでいくと堅い部分に入り、食痕も細かくなってきました。
虫に近づいて来たかな・・・?



慎重に削いでいくと・・・

ついに穴が開きました!







さあ、どうだ!








んん?



















“なんや!寝てるのにうるさいぞ!”って感じで

3令幼虫が穴からこちらを威嚇してました(笑




慎重に幼虫釣りで取り出し、確認すると、体重9.0g  頭幅9.8mm  卵巣は見当たりません。

メスならペアゲットだったんですけど、小さめのオスかな・・・・?

ちょっと残念でしたが、もう一つの食痕があるので、そちらに期待しましょう。

うまく運べば、メス成虫の可能性もあります!




もう一方ですが、

こちらも同様に堅い部分に入っており、全く同じような状況で穴が開きました!

ドキドキしながら、少しずつ穴を広げ・・・・・





祈る気持ちで確認します。

メス成虫か?




ちゃんと生きてるか?





さあ!どうだ!










・・・・・・・・・・?




















んん・・・・・・・・・・・?


わお!頭でかい!

小さい頭のメスを想像しながら覗いたので、びっくりです!
取り出して確認すると、頭幅はほぼ12mmあります!





“やったー!”
あまりの大型幼虫に、メスを期待してたことも忘れ、大喜びです。(笑




これはもう種親決定ですね。
でも、ペアのメスが・・・・・(泣




あれ?ちょっと待て・・・・
もう一度9.8mmの幼虫を確認してみます・・・・

と言うのも、同じような部位を食べて兄弟でこんなに頭幅違うかな?
と疑問に思ったからです。

最近勉強しているチン腺確認すると・・・・

おっと!腺はありません・・・・・


“よっしメスや!”


正確性には自信ありませんが、ここで、とにかくメスと同定!
これ以上削るのは止めることにしました。



産卵位置を探しましたら、中央部の宙に浮いた部分の底が少しえぐれていたので、
その辺からと思われます。

とすると、まだ同腹は多く残っている可能性が大きいでしょう。

この木は容量も十分有るので、兄弟は無事羽化できることと思われます。



戻してペアで記念撮影!

十分“醍醐味”を満喫したので、もうおなかいっぱいです。

これで山を下りることにしましたが、ほんとになんと幸運な一日だったんでしょうか・・・

しばらく採集行かなくても、思い出して楽しめそうです(笑




大型オス、家に帰って早速体重測定しましたら、

“14.0g・・・・・” ????

体もプリプリしてたので、もう少しあると思ってましたが・・・・

ワイルド幼虫は体長があまりないので、見た目太って見えるんですね。














2013年1月17日木曜日

ブリード苦戦中

オオクワガタのブリードの方ですが、ここに来て難しさを痛感しています。

まずは強制早期羽化。

蛹化させられなかった個体がいくつか出てしまいました・・・。
能勢産はGULLさんからの幼虫2頭加温してましたが、1頭失敗です。

まあ、能勢は他のが何とか羽化してくれたので、来期ブリード計画にはそれほど影響
ありませんが、綾川は2頭中2頭共失敗・・・・トホホ(泣

意外と難しいものですね。


能勢の早期羽化の中で最大は、幼虫時最大だったDラインからでした。




能勢D-3 20.0g 頭幅11.3mm  →54.3mm






現時点で54.3mmもあり、掘った時は、その大きさにちょっとビックリしました。
メスは1mm違うと大きさの印象がかなり変わりますね・・・

他は50mm前後のかわいいサイズなので、写真は撮ってませんが、
皆、羽化はちょっと遅めだったので、早く成熟して欲しいです。

番外で、メスと思って加温してた有名ブリーダーさんからの871ギネス同腹直子幼虫・・・




掘ってみると、なんと63.8mm!



・・・・・・・・・そう、かわいい♂でした。

今期YG♂のチビギネス候補でしょうか・・・・

せっかくなので、来期使おうかな・・・・なんて


まだまだ雄雌同定未熟です。

ごめんなさい。

卵巣、頭幅、体重だけでなく、チン腺同定法も取り入れなければ・・・・







通常飼育の方ですが、キノコ放置で菌糸劣化がかなり進んでます・・・

2ヶ月半でもう茶色く変色してるものが多数出ており、
中には青カビ発生して暴れもチラホラ・・・・

案の定、一番体重が乗ってた36gのボトルも暴れ始めた様子です。(笑

急いでブロック注文し詰めたところですが、どうでしょうか・・・・?

やはり、皆さんおっしゃるとおり3本目以降は難しく、マニュアル通りには行かないようですね。
飼育環境がそれぞれ違いますので、自分の環境でベターな方法を探すには、
経験が必要って事でしょうか・・・。





それから、近頃は有名ブリーダーさんの3本目交換記事をよく拝見してますが、
かなり大きいのが出ているようで、さすがだなと感心しています。

大きい幼虫は“これ羽化したらどれだけのサイズ?”って感じでワクワクしてしまいますね。


うちも、オオクワでは難しいので、カブトのでかい幼虫育ててみたいなあ・・・って事で、
去年の採集時に大きなカブトの幼虫を連れて帰ってます。

オオクワのブリード用品(廃菌糸とクワガタマット、添加剤)でどれだけ大きくできるのか・・・?

ちょっと興味もありまして・・(笑


採集時 35g


採集時35g、野外ではまずまずの大きさの様です。







1ヶ月後 39g


で、1ヶ月後のマット交換39g! 太い!


んーでも、これよりオオクワの幼虫が大きいなんて

ちょっと想像できない・・・・

一度はオオクワで出してみたいですね。

“夢の40gオーバー”

ああ、幼虫マニアになりそう・・・・





2013年1月8日火曜日

冬期材割採集 ~大イノシシに遭遇~

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

早速ですが、昨日は正月太りを解消すべく、
年末に続き、午後から、またまたオオクワ狙いに行ってきました。

香川県産でも綾川町以外の産地を狙って・・・・
とはいっても、やっぱり時間の制約もあるし、隣接した比較的実績のある地域です(笑


早速目的地に入ると、綾川町外とはいっても、もうこの時期採集者の痕跡があります。
去年の痕跡もあり、比較的人は入っているようです。



杉林を抜け最初に気になったのが、去年の割跡が残るクヌギの端材・・・
表は乾燥してカチカチなので、ひっくり返してチェックすると、
いきなりクワガタの幼虫が出ました。

コクワでないなあ・・・・



2令 コクワでない不明幼虫① 頭幅5mm
→2/6オオクワガタ3令に加齢


頭幅5mm2令の幼虫で、出てきた場所から推定すると、ノコかヒラタかな?

頭幅からオオの可能性もあるので、一応キープします。

んー・・・ オオの2令はブリードしててもあまり見ないので、よく分からないですねー・・・・

ヒラタ? の初3令 頭幅7.5mm やっぱりコクワかな?

あとは、明らかなコクワ3令と、ヒタラっぽいメスの初3令幼虫が出たところでこの材はやめ、

もう1本の端材を確認すると、

なにやら大きめの食痕が・・・




見るところ、オオではなく、ヒラタかノコ?



でも、太い食痕を追うのは楽しいもんで、ゆっくり楽しみながら・・・・・

出たのは、こいつです!






ノコギリクワガタ♂3令 14g 頭幅11.0mm
→3/6 ヒラタクワガタとして蛹化



でかいノコのオス3令でした!

大きいので、持ち帰って水牛型で羽化させようかな・・・(笑


ここで、この材はあきらめ、
その後は、道無き場所を山奥へ入り、探索していきますと・・・・

所々立ち枯れの足下の皮が剥ぎ取られ、カブトの幼虫を抜いたような跡が
見られるようになりました。

でも、斧の跡はありません。


“変な採り方するなあ・・・”

更に、針葉樹の朽木倒木もボロボロにされているではありませんか!

“これ、もしかしてイノシシか?”

そんな事考えていると、

突然近くの谷で、




ギャー! ブヒョー! バキバキバキ・・・・・

ゴー! ドドドド・・・・・

ものすごい音がするではありませんか!

イノシシの戦いでしょうか・・・?


“これはおもしろい!” 

“気づかれないように近づいて見物させてもらおう・・・・”



少し下って、息をひそめて見ると、
はっきりとは見えませんが、1頭と数頭の戦いの様です。

激しい鳴き声と地響きを立て走り回っていましたが、


ド・ド・ド・バキバキ ブヒョーバキバキ バキバキ・ブヒョー・・・・・


やがて、上流の方へ群れのまま凄い勢いで走っていく音がし、遠ざかってしまいました・・・

“もうちょっと見たかったなー”

そう思いながらも、下に倒木が見えたのでチェックしようと降り始めた途端!

なんと!今度はあの音が大きくなってきます・・・

んん?
ド・ド・ド・バキバキ ブヒョーバキバキ バキバキ・ブヒョー・・・・・




“わお!”

戻ってきたー!


屈んで見ていると、今度ははっきりと姿が確認できました!

中型の3頭を、大きな1頭が追い回しています。

そいつが、でかいでかい!

真っ黒いブタみたいなデブのくせして、ものすごい素早さ!

で、どんどん近づいてくるではありませんか!

とっさに・・・・


これ、ヤバイわ!

こいつら来たら勝てない・・・


あまりの迫力に、しょんべん漏らしそうなくらいビビってしまい、
あわてて近くの木によじ登っていました。(笑




しばらくすぐ下で、派手に走り回ったあげく、3匹が向かいの山に逃げて・・・・

大イノシシだけ下の谷で何か物色しています。


私も倒木をチェックしたかったので、斧を片手に降りていきますが、
なんか食べてるんでしょうか・・・?

ヤツは全く逃げる気配がありません・・・



仕方なく谷の湿地まで降り、目測20mくらいまで接近し確認すると、

土の中の何かを食べてます。

木を叩いて威嚇しても、効き目がないので、


ついに・・・・




“ええかげんせえよ!このブタ野郎!”



大声で叫んで、大きなアクションで脅し上げてやりました。



すると、しばしこっちを睨み、一瞬緊張した空気が流れます・・・・



ちょっとビビって後悔するも、こっちも腹をくくって戦う決心をし、身構えます。



が、・・・・・





やがて、スタスタと下流の方へ去って行きました・・・・(ホッ



何を食べてたか分かりませんでしたが、よっぽどごちそうなんでしょう。

これを見ると餌争いだったのかも知れませんね。

3頭は親子かも・・・・


イノシシはうちの実家で飼ってたり、親父もハンターなので、
数多く見てきましたが、この日のは、最大級の大きさだったように思います。

普通は人に気づいたらすぐ逃げる筈なんですけど、こいつはよっぽどケンカに
自信があるのか、神経が図太いヤツなんでしょう。

戦いの直後だったので、気が立っていたのかもしれませんね。

こんな時は皆さんも気を付けましょう!

明らかに体重はあっちが重いし、あのスピード、牙・・・・

今考えると、ちょっと危険な状況だったのかも・・・・・(汗




そうそう、命がけで見に行った倒木は見かけ倒しのスカスカでした・・・・トホホ

採集の方は、その後めぼしい獲物はなく、帰りに出た

ノコギリのオス成虫・・・

久しぶりだったので、お土産に連れて帰りました。